今世紀前半の「存在論の復興」(例えばその一例は、いわゆる「存在論的カント解釈」(「形而上学的カント解釈」)の登場であると言えよう。)の熱気に準備され、促されもする形で、マルティン・ハイデガーによって主唱された、「存在論( Ontologie )」の復権に於ける彼によるこれまでの「存在史」に於ける一大空隙を捉えた語である。
しかしながら我々は、例えば形而上学を本領とする中世哲学に於いて、存在者( ens )とは区別された次元としての存在( esse )についての深く高度な思索が成されていたことを知っているのであり、同時に優れた哲学史家でもあったハイデガーのこの言は、ある種の意図された放言というか、もっと言ってしまえば、「誰も知らないんだから、まあ何言っても大丈夫だろ。結局誰も関心を持ちはしない」という或る種の諦念とすら言われうる心境から発した言であるとも言える様な気が我々にはするのである。
2022年に放映されたアニメのうち完走できたものの感想をまとめておく。 名場面と共に全話通した総評を行いながら各作品の振り返りを行う。 完走できた15作品のうち11作品が百合アニメであった…… 各話ごとの感想リンクも貼っておくので作品に興味を持った方はそちらも参考にしてください。 【目次】 『スローループ』(CONNECT、2022年1月7日 - 3月25日) 『明日ちゃんのセーラー服』(CloverWorks、2022年1月9日 - 3月27日) 『その着せ替え人形は恋をする』(CloverWorks、2022年1月9日 - 3月27日) 『プリンセスコネクト!Re:Dive Season …
労働集約的農業における共同作業を通して孤独な王女に人脈の結合を確信させる話。 一人で稲刈りに勤しむペコリーヌは存在忘却の呪いで孤独となった現況を噛み締める。 自分を愛してくれた国王夫妻や家臣団、王宮騎士団から個を認知されず一人ぼっち。 全てを失った王女は新しくペコリーヌの名を貰いギルドを作って居場所ができるが…… 仲間に対して秘密を抱いている後ろめたさと真実を話した時の恐怖で板挟みになっていた。 そんなペコに仲間への信頼を確信させる装置が稲作の結制度だったというワケ。 ペコがこれまで関わった仲間たちが稲刈りの「テツダイ」に来てくれるのである。 大勢で収穫をするイベントスチルは圧巻!まさにプリン…
記憶を巡るギャグ回を通して「失われた主人公の記憶の回収」と「ペコキャル」をやる話。 基本的な流れはギャグ。記憶を弄られ人格崩壊したキャラと声優の演技を楽しむ物となっている。 その一方で問題解決の為にペコキャルが2人きりでクエストに臨み思う存分ペコキャルする。 お花畑ではペコがキャルをおんぶして戯れたり、泉ではキャルがペコの髪の手入れをするのだ! そして主人公くんは記憶の精霊とのバトルを通して過去の正妻ギルドメンバーの記憶を取り戻す。 今回は美食殿メンバーと主人公くんの関係性が明確に「家族」と位置付けられたことも重要。 美食殿でペコキャルばっかりしてるのは、主人公くんとのフラグが立たないことの証…
ラスボスの狙いがユースティアナ(ペコ)の根源的絶望だということが明らかになる話。 キャルの指輪を媒介に空間転移を発動させぺコリーヌを玉座の前に召喚したラスボス。 その愉悦はユースティアナ(ペコ)の顔が苦痛に歪むことであり傷口に塩を塗って弄ぶ。 アニコネ1期でペコ達を見逃したのも、より深い絶望を与えるためであったことが判明。 今回もまたぺコリーヌが闘志を折らなかったため見逃されることとなる。 それ故、ペコが本当の意味で絶望しない限りは負けとならないのだが…… そうするとラスボスバトルまでは辿り着けるが、主人公がペコを庇い死亡してしまうのである。 ぺコリーヌはここで根源的絶望に陥り、ラスボスの目論…