この45年間、何もなかった。友達もいない。恋人もいない。結婚もしていない。金もない。誰にも選ばれず、誰にも必要とされず、誰からも好かれなかった。 ただ、正しさだけを信じてきた。それだけが、俺に残された唯一の軸だった。 コロナのとき、誰もがマスクして、怯えて、列に並んでワクチンを打った。俺は一人だけマスクをしなかった。数百人いる免許更新の場で、寄ってくる職員に「マスクはお持ちですか」と言われた。バカバカしかった。くだらなかった。 誰も「なぜ」って聞かない。誰も「考えよう」としない。ただ、空気に従う。テレビに従う。あれは洗脳だった。 でも、リアルに「気づいてる人間」は一人もいなかった。もともと知り…