ポプラ文庫なのでホッコリ系。戦後日本を生き抜く女の子と宇宙人のラブストーリー。「もはや戦後ではない」という言葉を最近よく見る。なにも図っちゃいないんだけども。 主人公の幸子ちゃんは職場の銀行で男尊女卑に苦しみ、復員した父親の秘密に悩み、母親の死に心を痛め、寡黙な弟の世話を一人で熟す頑張り屋さん。 そんな彼女が自称宇宙人を助けてしまうところから物語が始まるのだけど、この謎の自称宇宙人、本当に宇宙人という設定なのでぶっ飛んでる。でも顔が良い設定は、もう許すしかない。 幸子ちゃんの抱える問題は仕事・家族、そして生き方みたいな現実味のあるものなのに、宇宙人が宇宙人らしい視点で、無邪気なようで核心を突い…