宇宙は十分に大きな距離スケールで見れば特別な方向や特別な場所を持たないという仮定。つまり宇宙には中心がない、ということ。16世紀のイタリアのジョルダノ・ブルーノが唱えた。
現在宇宙の等方性については10^-5以内のレベルで成り立っていることが検証されており、一様性については最大10%のレベルで成り立っていることが分かっている。
宇宙原理の仮定の下で、遠い銀河ほど速い速度で後退する様に見えるというハッブルの法則は宇宙が膨張していることを示すことになる。その発見から導かれたモデルの一つがルメートルが発案し、ジョージ・ガモフによって支持・発展されたビッグバン理論である。今ひとつが1948年にH・ボンディ、T・ゴールド、F・ホイルが提唱した定常宇宙モデルである。
定常宇宙モデルでは宇宙のはじまりを設定することをさけるために、宇宙は時間的にも定常であり、過去も未来も現在と変わらないとする完全宇宙原理を導入し、宇宙は無限の過去から存在し膨張を続けてきたとされた。一方で、膨張しても平均密度が一定に保たれるように、絶えず物質の創成が行なわれると考えた。
が、1968年に発見された宇宙背景放射は定常モデルに極めて不利な証拠となり、現在ではビッグバン理論が広く受け入れられている。