1965年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。三省堂書店勤務を経て中国古典研究家として独立。
2024年に日本銀行券のデザインが一新されました。その1万円札に描かれているのは、日本資本主義の父と称される渋沢栄一です。渋沢栄一は、明治以降に数々の会社を設立し、今もなおその多くが存続し、誰もが知っている大企業となっています。まさに1万円札に描かれるにふさわしい人物と言えます。渋沢栄一が講演で語った内容は、『論語と算盤』という書籍になっており、現代のビジネスパーソンが読んでも古臭さを感じない内容になっています。むしろ、経済が国際化した現代にこそ、読んでおきたいですね。
日本人らしさ。それは、年配の人を敬う、忍耐強く努力する、秩序やルールを守る、自分よりも集団の利益を優先するといったものが挙げられるでしょう。近年、こういった日本人らしさが世界的に評価されているようですが、時として、この日本人らしさが欠点となることもあります。日本では、小学校から道徳教育で、こういったことを学び、大人になっても、その教えを多くの人が守っています。しかし、その教えが、孔子の論語に基づいていることを知っている人は少ないのではないでしょうか。