著者がTV企画で全国の古寺を巡礼した記録であるシリーズですが、訪問したことのある寺を中心に順不同で読み進めていました。「人と共に生きる市井の寺と俗世間を遠く離れた山中の寺」を集めたこの巻で訪れたことがあるのは、高野山、青岸渡寺、粉河寺、四天王寺の4寺です。 「第51番 高野山 空海が猟師から譲り受けた聖地」 金剛峯寺や奥の院と並ぶ高野山の中核である壇上伽藍の一画に、山王院という神社があります。祀られているのは狩場明神と丹生明神という猟師と水に関係した神であり、空海が高野山の先人たちを敬っていたことを象徴しており、明治の神仏分離を生き延びて共存を続けています。このシリーズを「女人高野」と呼ばれる…