社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学作者:ジョナサン・ハイト紀伊國屋書店Amazon ジョナサン・ハイトは現代における政治思想や社会・文化,哲学などの領域において,しばしば引用される社会心理学者である.その著書である『社会はなぜ左と右にわかれるのか』における特に重要な成果は,道徳や正義心というものを6つの道徳基盤として提示したことである. ハイトは道徳を味覚に例える.味覚には甘味や酸味,うま味などの異なる受容器があり,結果として総合的な味を形成している.同様に,道徳・正義心は次の6つの道徳基盤で構成されると仮定する. 1. <ケア/危害>基盤 この基盤が生まれた理由は…