岩波文庫195ページ「かくのごとくいひて、徳山の問をえて、徳山にむかうていふこと道是(どうし)ならば、婆子まことにその人なりといふことあらはるべし。問著(もんじゃ)たとひありとも、いまだ道処あらず。むかしよりいまだ一語をも道著せざるをその人といふこと、いまだあらず。いたづらなる自称の始終、その益なき、徳山のむかしにてみるべし。いまだ道処なきものをゆるすべからざること、婆子にてしるべし。」 (徳山禅師に婆さんが自分に質問をせよと言ったが)このように言って徳山禅師が質問をしたらそれを受けて、徳山禅師に向かって言ったことが正しいならば、婆さんは真に大宇宙の真理・真実と一体となっているということがはっ…