『死者との対話』というテーマは、宮崎駿『君たちはどう生きるか』もそうだ。 去年7月に観た際には、伝統的な「行きて帰りし物語」のストーリー展開にのっとった作品だと感じた。今、折口信夫『死者の書』やダンテ『神曲』と、同じ構造も持っていると、あらためて思う。 3作品に共通するのは、主人公が「死者への想い(恋慕)」から「旅(異界への)」をし、そこには「案内人」が登場することだ。 主人公真人(まひと)少年は、戦火で死んだ母を訪ねて、異界(黄泉の国、常世、生命が生成消滅する場)へ行く。そして数々の冒険をして、戻ってくる。 その異界では、『思い出のマーニー』のように、少女時代の母に会い、『ゲド戦記』のように…