「『仕事を始める』を扱った作品」の第二弾は、百瀬しのぶ『おくりびと』(小学館文庫、2008年)。遺体を拭き清めることを生業とする納棺師。「現世での汚れや苦しみの一切を洗い清め、来世での功徳を願いながら心を込めて執り行います」。世間では必ずしも温かい目で見られてはいないものの、「安らかなお見送り」には欠かせないお仕事です。やむを得ず、この職業に就いた小林大悟37歳。しかし、仕事を重ねていく過程で、納棺師としての矜持を感じるようになっていきます。2008年9月13日に公開された映画『おくりびと』(監督は滝田洋二郎さん、主演は本木雅弘さん、出演は広末涼子さん。第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞作)…