八月になにか忘れ物をしたような感じで過ごしておりましたが、本日につら つらと考えて思い至りました。 この八月は、今年三月に亡くなりました小沢信男さんの初盆でありまして、 それにあわせてみすず書房から遺著がでたのですが、これの入手に手間取って おりまして、小沢さんの本の話題ができていないのでした。 そんなわけで、本日は小沢さんの若書きの作品を読んでみましょうと1975年 に晶文社からでた「東京の人に送る恋文」を取り出してきました。 これはその当時にはすでに入手が難しかった「わが忘れなば」に収録されて いたものと、その後の作品などをあわせて一冊としたもので、当方はこれと その前にでた「若きマチウの…