前回の記事の続きです。情報源は「アフリカの難民キャンプで暮らす」(小股直彦著、こぶな書店)になります。 著者はオックスフォード大学の博士課程の研究のため、ガーナのブジュブラムに来ていました。そのオックスフォード大学の大先輩にデビッド・タートンという人類学の先生がいて、次の言葉を残したそうです。 「難民や貧困層などの苦境にある人々に対する調査が正当化されるのは、その調査が、なんらかのかたちでこうした人々の苦境を和らげるのに貢献することが目的となっている時だけだ」 ジュディスという三十代半ばの難民がいました。リベリア大学を卒業した才女で、これまでブジュブラムに来た数多くの研究者のアシスタントを務め…