金の卵 連続ブログ小説 №28 麗子は貴の身の上話を夢中で夜の更けるのも忘れて聞いていた。 外は石神井公園の石神井池と三宝寺池の水面が波も無く光りだしていた。 海辺では無いが朝凪状態である。 「麗子さん長い事話を聞いてくれて有難う」 貴は眠たい目を無理に大きく開けて左手で口を押さえて欠伸をしてから 「このような俺だが、結婚してくれないか」の求婚に心の中では、私のような者で宜しければお引き受けいたしますと返事は決まっていたが口からは出せなかった。 「私には勿体無い話、貴さんを幸せに出来るだろうか」 「俺を幸せにするのではなく、俺が麗子さんを幸せにする自信がある」 二人は結婚を前提に交際する事にな…