家族旅行の旅館内で最後まで読んだ。 ミステリーを期待して読んだが、ミステリー中心というより、正確に難があり生きずらい人の生き様を滔々と連ねたドキュメンタリーという印象を持った。 主人公の梨沙はこれまで自分を虚飾で塗り固め、傷つかないような生き方をしてきた。友人も恋人も、一度はそのステータスに惹かれて寄ってくるが、中身がない人間だと悟るとすぐに離れていった。 そんな彼女が理想の自分を演じていたSNSの漫画がバズって、出版社の男に本の出版を持ちかけられる。金持ちになって人生を変えられる千載一遇のチャンスだと思った彼女は、嘘に嘘を重ねてSNSでの煌びやかな生活を本当のものにしようとする。 SNSで飼…