**第3話: 時の流れ** 彼女は草原を歩き続け、手帳を開いては自分の過去を思い出そうとする日々が続いた。しかし、記憶のかけらは彼女の手には届かず、不完全なままだった。時折、彼女は見知らぬ風景や遠くで響く不思議な音に出くわすことがあったが、それらは彼女の記憶を呼び戻すには至らなかった。 日が経つにつれて、彼女は草原がどこまでも続く限り彼女を導いてくれることを信じるのをやめた。彼女は新たな方針を考えなければならなかった。手帳には何かしらの手がかりが隠されているに違いないと彼女は信じていたが、それを見つけるためにはもっと広い視野が必要だった。 ある日、彼女は草原の果てに巨大な山脈がそびえ立つのを見…