小論文指導について。 高校教員が小論文指導で悩むのは、高校の教員としての能力が足りないのに、教員になってしまったことが原因である、と誰かが言った。たぶんそうだろう。 しかしそれでは、話が進まない。第一、真顔で能力を問うならば、高校及び高等教育機関で教鞭をとることのできる人物が、いったい何人いることだろう。大方の高校教員は、不足する能力資質を、時間と努力とで乗り切ろうとしているし、現に乗り切っているようにみえる。 小論文とは、大学入試等で出される、「論文」らしきもので、設題に沿った作文のことをいう。 その指導を、高校では、主に、国語科の教員が受け持っている。ろくに本も読んでいないような高校生相手…