今田絵里香『「少年」「少女」の誕生』(ミネルヴァ書房、令元年10月)は、序章によると、「本書は、少年少女雑誌の誕生と変遷、および、少年少女雑誌における「少年」「少女」に関する知の誕生と変遷を明らか」にし、「その背景を考え」たものである。このうち少年少女雑誌の変遷としては、115頁に次のようにある。 (略)一九一〇年代、都市新中間層が量的拡大を遂げると、少年少女雑誌を購入する層が増加するということになる。さらには、少年少女雑誌の発行部数が、量的拡大を遂げるということになる。事実、『日本少年』『少女の友』の発行部数は、増加の一途を辿ったのである。ところが、『少年世界』『少女世界』は、『日本少年』『…