今回は山崎豊子の長編小説「大地の子」です。 この物語は中国残留孤児を主人公にその迫害と苦闘の歩みをたどり、日中戦争、文化大革命、日中国交正常化、日中共同の製鐵所建設プロジェクト、中国共産党上層部の政権抗争などといった戦中から戦後そして現在に至るまでの人々の運命を描き出した大河小説とこの本の解説には書かれています。 中国残留孤児という言葉を聞いたのは確か私が小学生の時だと思います。当時はどうして孤児が出てきてしまうのか分かりませんでしたがこの小説で理解出来ました。戦前は日本から多くの人々が満州開拓団として満州国に移り住んでいきました。ところが日本が敗戦するやいなや満州国にソ連軍が日ソ不可侵条約を…