尚友倶楽部編『山川健次郎日記:印刷原稿第一~第三、第十五』(芙蓉書房出版、平成26年12月)なる本が出ていたので、読んでみた。驚くべき記述が幾つかあった。そのうち千里眼事件に関する記述は、小宮京・中澤俊輔「新史料発見 会津人が駆け抜けた近代日本 帝国大学総長山川健次郎日記(写本)前編」『中央公論』平成26年1月号で紹介されているので、今回は岡崎にあった平瀬貝類博物館に関する記述にしよう。 (大正三年) 十二月一日 出。九時邸を出で京都に於ける文展を一覧す。 (略) 午後平瀬具[ママ]陳列所に至る、館主懇に案内せらる。夜に入り同人より何か贈物あり、之を返す(平瀬の下脱字あるか)。 (略) 山川は…