1950年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。青山学院大学図書館司書をつとめたが、2006年3月で職場を早期退職し、著述業専門に。著書に「気晴らしの発見」等。 2006年、退職を期に、匿名の凄腕書評家<狐>であったことを『〈狐〉が選んだ入門書』(ちくま新書 ISBN:4480063048)で公表。 2006年8月14日、肺ガンのため、56歳でご逝去。
遅読のすすめ作者:山村 修新潮社Amazon 立花隆の『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』や福田和也の『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』に代表される、速読・多読といったものに対して、ほとんどの人は(彼らのような職業上の必要性に駆られているのではないのだから)そういった読書法は必要ではないだろう、と主張する一冊。 たとえば立花の言う、「本を沢山読むために何より大切なのは、読む必要がない本の見きわめをなるべく早くつけて、読まないとなったら、その本は断固として読まないことである」といった主張に対し、山村は反対するわけではないが、どうしてもどこかに違和感を覚える…
暗殺の年輪/藤沢周平 気晴らしの発見/山村修 小説の秘密をめぐる十二章/河野多恵子 木曜日はあそびの日/ピエール・グリパリ 坊っちゃん/夏目漱石 飛び込み台の女王/マルティナ・ヴィルトナー ジュリーの世界/増山実 トムは真夜中の庭で/フィリパ・ピアス 暗殺の年輪/藤沢周平 新装版 暗殺の年輪 (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-45) 作者:藤沢 周平 文藝春秋 Amazon 藤沢周平の初期作品「黒い縄」「暗殺の年輪」「ただ一撃」「冥い海」4編を収録。 2020年に「たそがれ清兵衛」を読んで以来、久しぶりの藤沢周平。すごくよかった。とにかく文章が美しい。目と脳が清流に洗われるよう。 直木賞を受賞…
3月に早くもことし最高の1冊が現れたので、さきに書影をご紹介させて頂きます。 TATATと略したい たとえ私の感想は読まなくても、『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』のタイトルだけは、どうぞ覚えていって下さい。 以下、今月の読んだ本。 読んだ本 書評家<狐>の読書遺産/山村修 自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと/清田隆之 闇の魔法学校 死のエデュケーションLesson1/ナオミ・ノヴィク トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー/ガブリエル・ゼヴィン 文明の生態史観/梅棹忠夫 闇の覚醒 死のエデュケーションLesson2/ナ…
読書についての本を読み返した。 『遅読のすすめ』山村修 『続 裁判官の書斎』倉田卓次 どちらも自分の読書の指針となる本である。 ゆっくりじっくり味わって読むことの大切さ、 頭休めの読書の技法。 どちらも値千金。100万円の価値がある技である。 好きな小説をゆっくりと味わいながら読み進める。 これぞ至福の時である。 夜、ジャズを聞きながら、このゆっくり読書をしていく。 頭休めの読書を仕事の合間にはさむ。 夕食後、仕事で疲れた頭を休ませるための読書。 朝一番、仕事にとりかかる前の読書。 どちらも頭を休ませて、頭をほぐす役割がある。 『遅読のすすめ』にも書かれているように、日々の生活や仕事をしながら…