編集者、翻訳家、評論家。1951年福岡県北九州市生まれ。慶應義塾大学独文科中退。 「季刊NW-SF」の編集長としてJ・G・バラード等の紹介に努める。また、SF翻訳者、SFにおけるフェミニズムの論客としても活躍。 「NW-SF」時代に、創刊者の山野浩一から将棋を教わったところ、たちどころに上達。74年にはアマチュア女流名人戦に優勝。70年代は、女流アマ強豪としても有名であった。
2024年11月13-19日 ・伊藤計劃『虐殺器官』 ・J.G.バラード(山田和子訳)『太陽の帝国』 ・千葉雅也『オーバーヒート』 ・ジュリー・クラーク(久賀美緒訳)『プエルトリコ行き477便』 以下コメント・ネタバレあり
SFマガジン 2024年 12 月号 [雑誌] 早川書房 Amazon ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』の文庫化で世間が沸いている。「文庫化したら世界が滅びる」という一種のネットミームが浸透していたほどに、名作の誉れは高くとも一向にその兆しのなかった作品が突如文庫になったわけである。読書家の驚きはそれは大変なものであったことは想像にかたくない。しかし、そのムーブメントは読書家のみならず、ふだん読書からは縁遠い層までを惹きつけ、NHKのニュースで取り上げられるわ、Xのトレンドに入るわの盛り上がりを見せた。聞く話によれば、現時点で三十万部以上を売り上げているという。 そう。結局、世界は…
No sun, no shadows, no life, a dead cold "Ice" by Anna Kavan アンナ・カヴァン(1901年4月10日-1968年12月5日)はイギリスの作家。 亡くなる1年前の1967年に出版されたこの作品は彼女の代表作にあたり、翻訳版も数回にわたり刊行されています。 以下内容紹介は、ちくま書房サイトから。 異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような”高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延…
7/1(月) 鈴木道彦って誰だっか、と思って調べたらプルーストを訳した人だった。サルトルも訳している。 7/1(月) あなたはあなたに苦悩がつきまとっていることを決してうちあけまいとする、そのようにしてわたしを苛みつづけるのか、ひたすらその決意をもちつづけてわたしと連れ立ってゆくのか、透きとおる氷となって深い眠りに落ちている川のほとりを。 (『ゲオルゲ詩集』手塚富雄訳 岩波文庫 p45) 7/2(火) 通所292日目。 7/2(火) 「親がおかしければ、子供もそうなるわよ」 (G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』鼓直訳 新潮文庫 p67) 「名誉にかけて誓えるかね?」「誓うよ。ただし、敵意にか…
付き合ってあげてもいいかなの最新話が、マンガワンにて更新されました~~!🫠久々の更新なので直近6話分がなんと本日限定で無料公開中です!!https://t.co/na130oe2kU pic.twitter.com/Hc8W5AmYVo — たみふる (@_tmfly_) 2024年8月15日 『付き合ってあげてもいいかな』最新話の展開を知って、商業版を全巻購入した。 元々Twitterで知り合った方がリンク張ってた商業版から存在を知った作品なんですけど、私は同人版の「付き合ってやってよ」があまりにも好きで、同人版だけ買って商業版は無料公開中に読んだことがある程度の状態だった。 けど、最新話の…
二十二年ぶりだと、こたえるなあ。 Netflix見たり酒呑んだりして(ま、いつも見て呑んでますけど)なんとか「空白の時間」をまぎらわそうと腐心している。 だから今回は”逃避としての読書”ということになります。しっかり時間を潰せる(無礼ご容赦!)中身のつまった大著が多くて助かった。 ○アイザック・B・シンガー『モスカット一族』(大崎ふみ子訳、未知谷)○スティーヴン・モス『鳥が人類を変えた』(宇丹貴代実訳、河出書房新社)○鷲田清一『所有論』(講談社)○都筑道夫『二十世紀のツヅキです 1994ー1999』(フリースタイル)○安藤礼二『死者たちへの捧げもの』(青土社)○深井智朗『プロテスタンティズム』…
レヴォリューション+1作者:山野浩一小鳥遊書房Amazonゲリラたちによる闘争が永遠に続く不可思議な都市フリーランドを舞台にする、稀覯書として知られていた連作集に、フリーランドが出てくる外伝的な一篇「スペース・オペラ」を加えて編者による解説を付して復刊された一冊。 この都市がいかなる状態か誰も知らない。 この都市にいくつの軍が存在するのか誰も知らない。 この都市でどの軍が優勢なのか誰も知らない。 この都市を統一することは誰にもできない。 この都市を完全に破壊することも誰にもできないだろう。 この都市に地図はない。 この都市には秩序もない。 この都市にはいかなる機能もない。 しかし、この都市には…
ダンジョン飯〔TV〕ep.21 黄金郷 この素晴らしい世界に祝福を!3〔TV〕ep.4 義賊 WEBアクション 5月21日号 ヴェルト(吉上亮)〔SFマガジン6月号〕第二部序章 ルイ16世の処刑 未来図 ショートショート(田丸雅智)〔SFマガジン6月号〕①二人のセッション②本の中の実家③AI文芸編集者 『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』日本SF大賞受賞記念 長谷敏司インタビュー〔SFマガジン6月号〕 怪異と乙女と神隠し〔TV〕ep.6-7 SFのある文学誌(長山靖生)〔SFマガジン6月号〕第九十四回 鳩山郁子 宇宙にうたえば(松村由利子)〔SFマガジン6月号〕歌よみSF放浪記第1回 ザ・ノン…
人は生まれてから死ぬまで常に何かを欲しながら生きていきます。そもそも欲望ってどこから始まるのでしょうか?多くの欲望は模倣から始まり、欲望には薄い欲望と濃い欲望に分けられ、薄い欲望は数日立ったら忘れたり、他の欲望にかき消されてしまうようなものですが、濃い欲望は違います。 日々薄い欲望にとらわれていないか、濃い欲望について私達は自分で理解できているのでしょうか? www.youtube.com ジラールの模倣的欲望の話をベースに欲望について学んでいくことができるとてもおもしろい本でした。 www.hayakawabooks.com 欲望の見つけ方: お金・恋愛・キャリア 作者:ルーク・バージス,L…
収録作の大部分が既読。主に中期の作品を収録しているらしい。タイトルの通り「つくりもの」を題材にした作品が多い……わけでもなさそう。どちらかというと「追憶売ります」の存在感からタイトルがつけられたんじゃないかな。大森望編『ディック短編傑作選』シリーズで書いた作品の感想は省略して初読の作品のみ記述。 「想起装置」(Recall Mechanism)翻訳:友枝康子 いい意味でも悪い意味でもディックらしくない作品。設定の整合性がとれていて意味のあるオチもついているけど、その反面ディックの持ち味はそれほど感じられない。別のペンネームで書かれていたらディックと気づかないんじゃないかな。予知夢と精神分析医を…