1959年栃木県足利市生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、米国メリーランド大学大学院修了、博士号取得。 千葉大学助教授などを歴任後、2004年より理化学研究所脳科学総合研究センター生物言語研究チーム・チームリーダー。 2008年からERATO情動情報プロジェクト総括を兼任。2010年から東京大学教授を兼任。 「ことば」と「こころ」の研究を通して、最終的には人間の「意識」のしくみと進化を明らかにすることが目標。 趣味はリュートなど古楽器の演奏、短歌、山登り、模型飛行機など。
現代社会は、様々な能力を持っていないと生きていくのが難しい社会となっています。20世紀ではパソコンを使えない人の方が多かったですが、21世紀に入るとパソコンを使えることが当たり前となり、それを使えないと仕事に就くのが不利となる場面もあります。パソコンもそうですが、情報化社会の到来で今まで以上に現代人に要求されるようになった能力があります。現代では、携帯電話やインターネットの普及で多くの人とつながれるようになりました。そう、情報化社会の到来で、現代人に今まで以上に要求されるようになったのはコミュニケーション能力です。
本の感想「言葉の誕生を科学する」小川洋子・岡ノ谷一夫(河出書房新社)2011_04 ヒトがどうやって言語を獲得し発達させたのかはよく分かっていないことが多いがそれだけに興味深いトピックである。個人の言語獲得においては次のようなことが分かっている。外国語を習得する場合のこととして、「脳がひとつの言葉を身につけると他の言葉は拒絶するようになっているからです。(中略)もしどこかに人間を隔離して、一切言葉を使わせないでおけば、十二歳ぐらいでも新しく言葉を身につけることができるでしょう」(岡ノ谷)ということだ。ジュウシマツを使った実験でも、通常は生後30日ぐらいでうたいだして120日ぐらいでちゃんとした…
地球上には歌や音楽が溢れています。 醤油を使ったり、狩りをしたり、十字架に祈ったり と多種多彩な文化が花開き、 それぞれ特徴的で違ったとしても、歌や音楽だけは世界共通であります。 人類はなぜ歌うでしょうか? 人類は数万年前、言語を獲得し仲間とコミュニケーションを取ることが可能になり 言葉に意味付けをして、複雑なやり取りができるようになりました。人間と同じように 声によるコミュニケーションをしている動物も多く見られます。 実例として挙げられることが多いのが、ベルベットモンキーが捕食者に会ったときに 発する警戒音です。ヒョウが近づいてきた時は大声で鳴き続け、ワシが来ると キキッと短い声で鳴きます。…
白井恭弘の本を2冊読んだあとなので,同じSLAついてだけど新鮮に感じる部分あり。「L2」みたいな言葉も覚えたので,良しとする。ただ本書はL2として日本語を学ぶことが想定されているというか,そういう人たちに教える人たちを想定して書かれれているので,そういう意味では自分向きの内容ではなかった。 超基礎・第二言語習得研究作者:奥野 由紀子,岩﨑 典子,小口 悠紀子,小林 明子,櫻井 千穂,嶋 ちはる,中石 ゆうこ,渡部 倫子くろしお出版Amazon はじめに 本書は、『超基礎』シリーズとして、第二言語習得(SLA)研究の入り口を知ってもらうために刊行したものです。SLA研究の「入り口」と言っても、最…
前回のブログでは、「名前」を意識して生きることについて書きました。 mamemoeru.hatenablog.com 今回は、翻訳の観点から、「名づけること」について見つめてみたいと思います。 翻訳の世界 いざない 翻訳フォーラムへの参加 主語への認識 宗教による言葉のズレ 韻を踏む 理系が英語詩に挑戦してみた 言葉の誕生 翻訳の世界 言葉の指し示す概念は、文化や言語によって違います。 異なる文化圏の方と話していると「これはきっと、相手にニュアンスが完全には伝わっていない(感情をシェアできていない)だろうな。」と感じることも多いです。 いざない 高校3年生のときに通っていた駿台予備校の英語の授…
・『漢字 生い立ちとその背景』白川静 ・『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴 ・『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編 ・『子どものからだは蝕まれている。』正木健雄、野口三千三編 ・『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス ・『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス ・『身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生』齋藤孝 ・『野口体操・からだに貞(き)く』野口三千三 ・マントラに関する覚え書き・『野口体操・ことばに貞(き)く 野口三千三語録』羽鳥操 ・『原初生命体としての人間 野口体操…
作品との出会いに偶然は無く、すべては誰かのレコメンド。そこからは逃れられないのかも。全てが仕組まれている、とまで考えれば陰謀論につながりそう(聴いてください、tofubeatsで『陰謀論』)。 tofubeats - 陰謀論 (CONSPIRACY THEORY) - YouTube もちろん、その推薦力に濃淡はある。 SNSでの誰かの言葉、本の帯にある推薦文、新聞やwebの書評、友人のオススメ。これらの推薦力は強い。 しかし、書店に並んでいるだけの商品だって、その書店か取次が売れ筋=オススメとしてぼんやりとうっすらとセレクトしたものなのだ。 その意識に絶望すれば偶然の不可能さを感じるし、希望…
・『心身を浄化する瞑想「倍音声明」CDブック 声を出すと深い瞑想が簡単にできる』成瀬雅春 ・『歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化』スティーヴン・ミズン ・言葉が歌から生まれた可能性・『言葉の誕生を科学する』小川洋子、岡ノ谷一夫 じつは、発声学習できる動物には「息を止めることができる」という共通点があります。「そんなの、犬やネコだってできるだろう?」と思うかもしれませんが、イヌ(ママ)もネコも息を止めることはできません。あるいはサルもウマもシカも、発声学習しない動物はみな、自分の意思で息を止めることができないのです。一方、発声学習できるオウムや九官鳥、イルカ、クジラなどは、自分の…
読書が計画通りに行きません。無念です。でももう、しょうがないかなと諦めてもいます。日本語日本文学専攻のわりに読むのが遅く、せいぜい週に二冊というところなので、あまり欲張って計画倒れが重なるのも切ないです。今年は一層、快適さ重視で読書を楽しみたいです。 2023 年はよい本を読めました。「なんだかなー」と思うような本は一冊しかありませんでした。運が良かったです。今後も運頼りにどんどん読みたい。 以下、印象に残った本の読書メモです。 🚋 金井真紀『日本に住んでる世界のひと』、岡真理『ガザに地下鉄が走る日』🚋 2024 年最初に見た映画は『イミテーション・ゲーム』(2014 モルテン・ティルドゥム)…