岡地稔氏のあだ名で読む中世史を読んだ。タイトルから内容を「めずらしかったり、面白いあだ名がついている王侯貴族を切り口にして、中世の歴史を概観するような内容だろう」と勝手に想像して、読み始めたのだが、全然違った。本書はなぜヨーロッパに「あだ名がついている王侯貴族がいるのか?」という謎に迫る内容だ。本書で扱われている地理的な範囲ははフランク王国を中心にしており、その後のフランスやドイツが主な対象になっている。たしかにヨーロッパの歴史ではあだ名で呼ばれている王が多いという印象は受ける。だが、なぜそうなっているのかというのは今まであまり気にしたことはなかったが、本書を読んでなるほどと思った。どうやら、…