一人称童話シリーズの桃太郎編。 普段、三人称で語られるスタイルが多いですが、 この絵本は桃太郎の視点から、桃太郎という物語が語られていきます。 よく知られている桃太郎の話は、大きな桃から生まれて、とても勇敢に鬼に立ち向かう、 心が強くて優しい、勇気あるヒーローのような桃太郎。 それはあくまで外から見た桃太郎。 この絵本に描かれる桃太郎は決して強いわけではありません。 鬼だって本当は怖いし、ぶるぶると震えながら戦う桃太郎が描かれています。 桃太郎が特別な人間だったわけではなく、ヒーローだったわけでも、 人より強かったわけではない。桃太郎に共感するとともに、親近感がわきました。 本の最後には君がも…