世界一保存状態がよいとされるロザリア・ロンバルドちゃん(Rosalia Lombardo, 1918 - 1920)のミイラ。ウィキメディア・コモンズより。 ところで私は、実は死ぬまでに詩集を一冊出版するのが学生時代からの夢なのでした。その中で特に私があこがれていた詩集、「こんな本を一冊書いて死にたい」と夢みていた詩集、それが伊良子清白の唯一の詩集『孔雀船』で、今回はその中の一篇に触れてみたいと思います。ちなみにこの伊良子(いらこ)清白(せいはく)という人ですが、この人は明治の新体詩詩人で、少年時代から盛んに詩を書いて雑誌発表していたが、薄っぺらい処女詩集『孔雀船』一巻の刊行を機に詩筆を断ち、…