コロナが世間にまんえんしはじめた2020年夏に二人の日本舞踊の批評家が旅立った。石川は檜健次に洋舞を学んだこともあったが、日本舞踊の批評家になる(檜のパートナーは藤間喜与恵である。)賀来良江やケイ・タケイ、石川須妹子らとすれ違っていたため、洋舞界にも一定のつながりがあった。彼は初代・我妻徳穂の最後を看取った批評家でもあった。故に藤間のことも語ってくれたが吾妻の事を多く述べた。日舞の批評家の中では古典舞踊ではなく新舞踊に力を入れていたとされる。妻が西川流の家元だったため、文化庁などの公共の仕事はしなかった。家では三弦をひきながら長唄を唄い、そして酒を嗜む人だった。藤井修二や伊藤喜一郎らと同じよう…