今年6月亡くなられた西川祐子先生が編者の一人となり解説も書かれた岸田俊子著、大木基子・西川編『湘煙選集3:湘煙日記』(不二出版、昭和61年5月)を読んでみた。『~日記』の類はだいぶ読んだつもりでも、まだまだ残っていますね。岸田俊子は、戸籍では万延元年京都生まれ。結婚して中島俊子となった後に湘煙女史と号した。夫の中島信行は、明治23年11月初代衆議院議長となっている。その翌年の日記に『文壇』と『日本文壇』という雑誌が出てくる。 (明治二十四年九月) 十六日 (略)此日雑誌の来りしは経論、文壇、遠征の三部にして(略) (同年十二月) 七日 (略)小窓に蟄居し、炉辺机に対して読書絵画に従事するを得た…