この本は、1949 ( 昭和24 ) 年、島木健作の死後 刊行されたものである。 『嵐のなか』が単行本になったのは《この全集が最初》と聞いて探していた。 カバーもちぎれ、中もシミだらけだが、読むのになんら問題はない。 かえって当時のことが想像できる気がしてワクワクする。 写真は『嵐のなか』を書いた1940 ( 昭和15 ) 年、37歳の島木さんの近影。 清水書院~人と作品『島木健作』の年譜 ( 昭和15年 ) には、以下の通り書かれている。 10月 「或る作家の手記」続編180枚を『改造』に発表。11月 「嵐のなか」を発表。12月 「人間の復活」をそれぞれ未完のまま執筆中止した。 矢野健二著『…