拒絶への感受性、と、言葉にしたら妙な言葉だけれど、川田絢音の文章を読んでわたしが惹かれるのはそういうあたりなんだと思う。拒絶、への、感受、感受の仕方に惹かれる。だから、惹かれ方も独特でないといけないはず。 危ういものが ひとかけらずつあらわれ 受けとめ方もわからないまま 何なのかと思っているあいだだけ 存在する (「犬が」) もっともっと、深い拒絶。向かい合うものからの、深い絶対的な拒絶。 わたしはこなごなのがらんどう 捨てきれなかったものが 置き去りにされる (「窓」) 川田絢音『雁の世』(思潮社) もっと。 たとえば後から、「再体験、感情の解放、再統合」と理屈づけられ名づけられる回復のあり…