自然数から自然数への関数で、具体的に値を計算するアルゴリズムが存在するもの。
λ記法を使って書くと、
1,2,3,4を適用して作られた関数を帰納的関数といい、その中で4の適用が無かったものを原始帰納的関数と呼ぶ。
帰納的関数であれば、whileのみを使ったプログラムで計算が可能である。また、原始帰納的関数であれば、loop(for)のみを使ったプログラムで計算が可能である。
全域帰納的だが原始帰納的でない関数としてアッカーマン関数が例としてしばしば挙げられる。
なお条件3を除いた最小化は一般に帰納的ではない。1-変数帰納的関数 を考える。ここで次のような関数を考えよう:
これは帰納的関数である。条件3を除いた最小化
が帰納的関数だと仮定しよう。もし
ならばそのときに限り
であるから、これは``停止問題の補問題の半決定手続きが存在する"ことを意味する。停止問題は半決定可能であったから、したがって停止問題は決定可能となるが、これは停止問題の決定不可能性と矛盾する。したがって条件3を除いた最小化
は帰納的関数ではない。条件3が上の証明を破綻させることを確認しておこう。もし条件3に従えば、
ならば
であるからそもそも
が停止せず、したがって停止問題の補問題も半決定できない。