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帰納的関数

(サイエンス)
きのうてきかんすう

自然数から自然数への関数で、具体的に値を計算するアルゴリズムが存在するもの。
λ記法を使って書くと、

  1. 初期関数
    • ゼロ関数:Z = \lambda x[0]
    • 後者関数:S = \lambda x[x+1]
    • 射影関数U_{i}^{n} = \lambda x_1 x_2...x_n [x_i] (1 \leq i \leq n)
  2. 関数の合成
    • f:n変数関数、g_1,...,g_n:m変数関数とする。
    • 合成f(g_1,...,g_n):N^m \rightarrow N
    • f(g_1,...,g_n) = \lambda x_1...x_m[f(g_1(x_1,...,x_m),...,g_n(x_1,...,x_m))]
  3. 原始帰納法
    • g:n変数関数、h:n+2変数関数とする。
      • f(x_1,...,x_n,0) = g(x_1,...,x_n)
      • f(x_1,...,x_n,y+1) = h(x_1,...s,x_n,y,f(x_1,...,x_n,y))
    • と再帰的に定義されるf:N^{n+1} \rightarrow Nをg,hから原始帰納法により定義されたという。
  4. 最小化
    • g:n+1変数関数とする。
    • f=\lambda x_1,...,x_n[\min \{y \in N|g(x_1,...,x_n,y)=0\}]
    • m=\min \{y \in N|g(x_1,\ldots,x_n,y)=0\} が存在し、尚且つ任意の y\leq m に対して g(x_1,\ldots,x_n,y)\downarrow のとき、そのときに限り f(x_1,\ldots,x_n)\downarrow
    • によって定義される関数fを、gから最小化により定義されたといい、\mu y.g(x_1,\ldots,x_n,y) と書く。

1,2,3,4を適用して作られた関数を帰納的関数といい、その中で4の適用が無かったものを原始帰納的関数と呼ぶ。
帰納的関数であれば、whileのみを使ったプログラムで計算が可能である。また、原始帰納的関数であれば、loop(for)のみを使ったプログラムで計算が可能である。
全域帰納的だが原始帰納的でない関数としてアッカーマン関数が例としてしばしば挙げられる。

なお条件3を除いた最小化は一般に帰納的ではない。1-変数帰納的関数 f(x) を考える。ここで次のような関数を考えよう:g(N,x)=\begin{cases} &1& &\text{if $x\lt N$}& \\ &f(x)-f(x)& &\text{if $x=N$}& \\ &0& &\text{otherwise}& \end{cases} これは帰納的関数である。条件3を除いた最小化 \mu x.g(N,x) が帰納的関数だと仮定しよう。もし \mu x.g(N,x)\neq N ならばそのときに限り f(N)\uparrow であるから、これは``停止問題の補問題の半決定手続きが存在する"ことを意味する。停止問題は半決定可能であったから、したがって停止問題は決定可能となるが、これは停止問題の決定不可能性と矛盾する。したがって条件3を除いた最小化 \mu x.g(N,x) は帰納的関数ではない。条件3が上の証明を破綻させることを確認しておこう。もし条件3に従えば、f(N)\uparrow ならば \mu x.g(N,x)\uparrow であるからそもそも \mu x.g(N,x)\neq N が停止せず、したがって停止問題の補問題も半決定できない。

具体例

足し算
\rm{add} = \lambda x y [x+y]

  • \rm{add}(x,0) = U_{1}^{1} (x)
  • \rm{add}(x,y+1) = S(U_{3}^{3})(x,y,\rm{add}(x,y))

掛け算
\rm{mult} = \lambda xy[x \cdot y]

  • \rm{mult}(x,0) = Z(x)
  • \rm{mult}(x,y+1) = \rm{add}(U_{3}^{3},U_{1}^{3})(x,y,\rm{mult}(x,y))

*リスト:リスト::数学関連

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