令和6年9月24日に開催された民族文化研究会関西地区第61回定例研究会における報告「教会設立における所属教派選択の事例」の要旨を掲載します。 はじめに 一般的に宗教団体の教会は、その教団による布教活動によって新規に開設されることが多い。特に新宗教に分類される教団では、布教史を追うと同様の形式で教会が次々と増えていったことが確認できる。しかし教派神道においては、このパターンとは異なり、既に別の教団に属していたり独自の開教経緯を持つ者が、教会設立に際して教派神道の傘下に入る事例が散見される。 このような事例については、これまでも教団の雑居的側面に着目する際に部分的に言及されてきた。例えば、明治初期…