今夜も二十時ごろから始まった。 階下の生保の呑んだくれによる床どんどん。 どん、どん。 と鳴って、どたどたどたと部屋のなかを足を踏み鳴らして歩く音が聞こえ、 またしばらくして、 どん。……どん。……どん。 それが二十三時くらいから変化する。 おめき声、唸り声が合間にはさまれ始める。 どん。……どん。んがああああ。 どん。……どんどん。ああああああが。 どん。………どんどん。 おあああああ。 つらそうだ。 いま一時。 どんどんより、唸り声の方が多くなってきている。 ああああああん。 あああぅ? があああああああ。 ぅうぬ。 どん。 ぐうううううう。 そこにいない記憶の中のだれかを罵っているふうで…