私が住む街の市民会館が今年取り壊されました。できたのは私が小学生の頃ですから、ちょうど50年くらいでしょうか。短いような、長いような、いや短いと言うべきでしょう。鉄筋コンクリートで造られた街を代表するような大きな建物が、人の平均寿命よりも短い期間で壊されていくというのは、文化というものを蔑ろにした時代の象徴であったかのように思えてなりません。 そう言えば、子どもの頃親に連れて行ってもらった心斎橋のそごうや大丸の階段には大理石などの天然石がふんだんに使われていて、なかには大きなアンモナイトが沢山含まれているような立派なものでした。ところが最近建ったデパートというのは、使われているのが薄っぺらな工…