【125話】 サッカー部のシメ会が二週間続くという話を聞いたとき、俺とタケヨシは即座に部活を休むことを決めた。 正直、そこまで続くシメ会は想像を絶するものだったが、それはまだ序章に過ぎなかった。 工業で一番過酷なシメ会はラグビー部にあるという噂が広まっていたのだ。 ラグビー部のシメ会は、なんと1ヶ月間、ほぼ毎日続くというものだった。 その壮絶さは、俺の想像をはるかに超えていた。 新入部員たちは体育館の倉庫の壁側に、パンツ一丁で正座をさせられる。 正確に言うと、壁に向かって正座させられるため、先輩たちの姿は一切見えない。 その視界のない恐怖が、彼らの心をじわじわと蝕んでいくのだ。 「おい、新人。…