谷川徹三『繩文的原型と弥生的原型』(岩波書店、1971) 前著『芸術の運命』から多くを学びえた私は、次著『繩文的原型と弥生的原型』を、刊行からさほどの時を経ずして購入したはずである。結果は、前著以上に蒙を啓かれることとなった。 「漢才(からざえ)」と「大和魂」だとか、「益荒男振(ますらおぶり)」と「手弱女振(たおやめぶり)」だとか、心栄えや才能や人間味に関する二分法はすでに知っていた。本来十人十色、多様多彩にしてそれぞれ個別的なる実態を、対照的指標を立てることで二元論的に解りやすく整理する分類法だ。 平面上で不規則に散らばった諸点を、X 軸に沿って、またY 軸に沿って、数直線上に配列させてみる…