前回、平安時代中期から末期には、僧侶・貴族たちの間で少年愛の風習が広まっていたことを書きました。今回からは、平安時代末期から少年の売春が行われる江戸時代までの少年愛の形態を三つに分類し、詳しく書いていきます。最初は、「稚児(ちご)」と「喝食(かつじき)」についてです。 (一)寺院の少年愛―稚児と喝食 寺院の貴族化と稚児 ・『古今著聞集』に見られる稚児の嫉妬 ・醍醐寺の『稚児之草紙』に見られる僧侶と稚児の性行為 崇拝の対象でもあった稚児 ・稚児物語での稚児=観音という図式 禅宗寺院の美少年・喝食 稚児・喝食まとめ (一)寺院の少年愛―稚児と喝食 寺院の貴族化と稚児 平安時代初期の806年、最澄に…