鏡台の上で、何かを語るかのように 存在感を増すこの水色 毎日、この水色を眺めている。 これは、いわゆる 形見 母のものだった。 ターコイズ(トルコ石)のブローチ この色が大好き。 少し色や、中の柄が変わった気がする。 生きているみたい。 でもこの水色は、昔のまま。 子供の頃から、母の嫁入り道具の和鏡台の引き出しにはいってて ちゃんとありかを知ってる、私の宝物でもあった。 小さな抽斗の、一番奥。 小さな白い箱に入ってた。 母がいない時、こっそり開けては取り出して 自分の服に付けて見たり、指で触ってみたり。 ひんやりとした、あの石の感触を今も覚えている。 ブローチの裏はこんな風に 下の傷は、多分私…