彼女は絵画を見て、「何が面白いの?」と言うような人だった。 何が面白いか分からないから面白いんだと、誰かが言っていた。 僕は教科書のページの隅にパラパラ漫画を描いていた級友に、一枚のイラストを依頼した。 彼は快く引き受けてくれたが、僕は違和感を感じて「お金は払えないよ。」と言った。 彼は顔を曇らせていき、「この話は無かったことにしてほしい」と僕に言った。 後に第三者に聞いて分かったことだが、お金が必要だと思われていることに無性に傷ついたようだ。 僕は彼はお金を払えないことに落胆したのだと勘違いをしていた。 僕が彼女にこの話をすると、「君は人の気持ちが分からないんだね。」と言った。 僕は、「君に…