後藤明氏の世界神話学入門を読んだ。世界の遠く離れた場所であるにも関わらず、非常によく似た神話がることが知られている。例えば古事記のイザナキが黄泉の国を訪ねてイザナミを取り戻す話と、ギリシャ神話のオルフェウスの話のように。本書は近年提唱されているある学説に関して解説した本である。その学説とは「世界神話学説」で、近年の遺伝学・考古学による現生人類の移動と特定の神話の流布に合致する傾向があるとする学説である。本書では特にハーバート大学のマイケル・ヴィツェルにより刊行された「世界神話の起源」に基づいて解説している。マイケル・ヴィツェルは神話群は大きく分けると二つのグループに分かれるとしている。そのグル…