サクサクと言う小さな足音が聞こえる。 テントのすぐそばまで地数いてきた。 なんだろうじっと耳をすます。 音が止まった、こちらの気配に気が付いたか、音はそこで消えた。 沢の音だけが聞こえる パラパラと氷の塊がテントに当たる音 時折強い風が吹く。 風が迫ってくるのが分かる 冬の長い夜が更けていく。 半月に照らされる森は明るく、ライトをつけなくとも森の中を見通せる。 不思議な世界がそこに広がっていた。 朝、降り積もった雪の上に残った動物の足跡をたどり森の奥へと入っていく。 昨夜さまよっていた動物の足跡だろうか。 人は道具がなければこの雪の中で一夜すら命をつなぐことは厳しいが、動物たちは自ら命をつなぐ…