井上迅編『ためさるる日:井上正子日記1918-1922』(法藏館、令和5年11月)大正11年5月11日の条に鴨沂会が出てくる。鴨沂会は、正子が同年4月本科5年に入学した京都府立京都第一高等女学校の同窓会である。同会の機関誌『鴨沂会雑誌』を数冊持っているので、パラパラ見てみた。すると、53号(京都鴨沂会、大正12年12月)の「会員名簿」の「大十二、本」の条に「在国 京都市富小路四条南三十九 井上正子」とあった。前掲書の略年譜によれば、正子は同校本科を大正12年3月卒業後、同年4月同校国語漢文専攻科入学、15年3月卒業である。残念ながら、正子の寄稿はないが、名前を見つけただけで嬉しくなる。 もう1…