会社の部下からお借りした小説。文庫版で上下巻セット。 著者は池上永一さん。テンペストが有名、だけれど池上さんの小説を初めて読んだ。部隊は琉球王国、時代は18世紀初頭、舞踏家である了泉が主人公。 舞踏家とかダンサーが主役の小説を初めて読んだ。漫画だと「昴」くらいだろうか。私自身はさっぱり舞踏にもダンスにも縁がない。半世紀近く生きてきて踊ったことがあるのは盆踊りとフォークダンスくらいだろうか。ダンスが好きな人の気持ちも皆目分からない。 まずは豊崎由美さんの解説を引用しよう。 『黙示録』はかなりの部分を史実に拠っている。実学と風水学によく学び、同時代を生きたアダム・スミスの『国富論』に比する『図治要…