岩波文庫167、168ページ「しかあればすなはち、為法為身の消息、よく心(しん)にまかす。脱生脱死の威儀、しばらくほとけに一任せり。ゆゑに道取あり、万法唯心(まんぽうゆいしん)、三界唯心(さんがいゆいしん)。さらに向上に道得(どうて)するに、唯心の道得あり、いはゆる「牆壁瓦礫(しょうへきがりゃく)」なり。唯心にあらざるがゆゑに牆壁瓦礫にあらず。これ行仏の威儀なる、任心任法・為法為身の道理なり。さらに始覚本覚等の所及にあらず。いはんや外道二乗、三賢十聖(さんげんじっしょう)の所及ならんや。この威儀、ただこれ面々の不会(ふうい)なり、枚々の不会なり。たとひ活驋々地(かつぱつぱつち)も条々聻(じょう…