四国から戻り、実家にいたときのこと。自分の部屋の押し入れを整理していて、昔の雑誌類が見当たらないことに気づいた。 80年代の『POPEYE』や『HOT DOG PRESS』 など、懐かしい雑誌類や同人誌がごっそりなくなっている。とっさに、母が捨てた、と思った。母は昔から〝捨て魔〟で有名なのだ。自分が要らないと思ったら何でも捨ててしまう。僕はそれを知っていたので、捨ててはいけないものは押入れに入れ、取っ手に南京錠をかけて防衛していたのだが、不覚にも、前回帰省したときに鍵をかけ忘れていた。 母を問いただした。「そんなん、知らんわ。あんたの許可なしに、 勝手に捨てたりなんか、せえへんわっ。」と、母は…