ずっと急ぎ足で道をひたすら進み続け、やっとの思いで村の入り口まで来た頃には、さすがのナナリアの息も上がっていた。 息を少し整え、村に一歩踏み入れた時だった。 ーーザザッーー。ザザザッーー。 一瞬にして、ナナリアは何人もの村人に囲まれてしまった。 ざっと30人以上。子供から大人まで、老若男女すべての目がナナリアへと向けられた。 子供は怯え、母親の影にかくれる者もいれば、母の前で両手を広げ、守ろうとする者もいた。 男の人たちは手に槍っぽいものを持ち、戦闘でも始めるかのような険しい表情で、ナナリアを睨みつけている。 「どこから来た。何のために此処へと入ったんだ…!」 村人のひとりが、唖然とするナナリ…