2023年に読んだ本の中で、特に良かったものを紹介します。紹介順は適当です。 今井むつみ・秋田喜美(2023)『言語の本質』 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書) 作者:今井むつみ,秋田喜美 中央公論新社 Amazon 本書は、「言語とは何か」という根本的な問いについて、オノマトペとアブダクションを手がかりに、さまざまな観点から考察を試みた一冊である。「人工知能が記号を処理するときに言葉の意味を本当に理解していると言えるのか」という、いわゆる記号接地問題をめぐって、著者たちは言語習得における「ブートストラッピング・サイクル」という解決策を示しており、非常に刺激的である。個人…