オミクロン変異株による新型コロナCovid-19の第6波の到来が懸念されています.その対策のためにも,第5波は7月末になぜ急激に感染拡大したのか,また9月から10月にかけてなぜ急速に縮小したかについて,感染症流行に関する(S)IR理論に基づいて数理的に明らかにしました.得られた主な結果は以下の通りです.(1)7月下旬から8月中旬にかけての感染拡大は,オリンピック開会式に関連して設けられた4連休と閉会式に関連して設けられた3連休に,検査人数が平日の半分に低下したためである.もしこの連休期間に平日の検査数が維持されていれば,日毎陽性者は8月初旬に最大2000人弱となりそれ以後単調に減少し,9月中旬…