成都平原は「天府の国」と呼ばれていますが、古代には実に旱魃や洪水も非常に頻繁な地域でした。岷江は長江の支流で、しかも水量がすごく豊富で、ちょうど四川盆地という中国西部の豊かな地域を経由し、典型的な地上川になりました。都江堰と成都の距離はわずか50キロメートルですが、しかし273メートルの驚くほどの高低差があります。古代には、岷江は洪水が発生したら、成都平原は果てしのない海原になって、旱魃(かんばつ:雨が降らないなどの理由で土壌が乾ききってしまい、農作物が育たない状況。)が発生したら、また不毛の地域になってしまいました。かつて揚子江の支流にあたる泯江中流の成都平野は、雨季になると泯江が氾濫し洪水…