第二次世界大戦からの復員兵の物語である、あまりない設定ではなかろうか。第二次世界大戦でアメリカは勝利者の側にいるわけで、勝利者の側で戦場から帰還した人々のその後を、しかも、その後の苦労を描くという映画はあまり見かけない。ウィリアム・ワイラー監督の「我等の生涯最良の年」では、勝利しようがしまいが、戦争という非日常を過ごしてきた人々にとっては、非日常以前の日常に戻ることがどれほど困難を伴うことであるか、そんな復員兵の苦悩を描き出す。 この映画では3人の、そんな復員兵が主人公となって、メンタルの問題、身体的問題、財政的問題などを抱えながら、社会復帰していく姿を描く、戦時下での功績が平和な社会で何の役…