私は昭和33年生まれ。意外と終戦後それほど時間がたっていないときに生まれたんだと気が付いたのはずいぶんと大人になってからだった。 小学校のころには8月といえば戦争特集が毎日のように新聞にでかでかと載り、テレビでも盛んに放映されていた。 「岸壁の母」なんて歌が流行り、今でも息子が帰ってくるのを待つ母親の歌が多くの人の涙を誘っていたけど小学生の我々は、なんとも感じなかった。今思えばなんとツライ歌だろう。 夏休みの宿題には「お父さんとお母さんに戦争のお話を聞きましょう」があった。 私は両親から聞いたいくつかの戦争の話を覚えているけれど、それはその宿題のお陰かもしれない。積極的に話したいことではなかっ…